インチキゲームのことを、どうして「八百長」と呼ぶの?

 

二〇一一年に明るみに出た大相撲の八百長問題は、日本全国を動揺させる大きな問題になった。

 

その年の春場所は開催中断になり、不祥事による中断は初めてのことだった。

 

この「八百長」は、一方があらかじめ負けることを約束して、本番では表面的に真剣に戦っているように見せかけること、すなわちインチキゲームのことである。

 

明治時代、相撲会所(現在の相撲協会) に出入りしていた八百屋の長兵衛、略して「八 百長」という人が、ある相撲年寄りの碁の相手を務めていた。

 

長兵衛は年寄りに勝つことができる実力だったが、八百屋の商品を買ってもらっている立場上、年寄りの気分を害しないように、常に一勝一敗になるように手抜きしていた。

 

このことから、イカサマのことを「八百長」 というようになった。

 

意味が変わって、事前に打ち合わせておいて、それっぽく振舞うことや馴れ合いのことも八百長というようになったのだ。