ポテトチップスの発祥はインド人の料理人のプライドによるものだった

 

一八六七年、アメリカのニューヨーク州にあるサラトガというリゾート地のサラトガ・スプリングスホテルで、インド人の料理人がフライドポテトを作っていた。

 

ある日、ウエイターが客から「フライドポテトが厚すぎる」というクレームを持ってきた。

 

この料理人は、自分の腕に自信がある男だった。

 

「こんなのはどうだろう」と思って、ジャガイモを極薄にスライスしてカリカリに揚げた。

 

客は「こんなに薄くするとは言ってない」と驚いた。

 

しかし、一口食べてみると、その美味しさに感動した。

 

その夜のうちにその味はホテル中に広まり、その夏のサラトガでは、街中でもホテルでも、紙コップに入ったポテトチップスを嗜む客の姿が見られたという。

 

ポテトチップスは当初、洗練された人々の嗜好品だったが、一九二五年に大規模な工場がニューヨーク州オールバニに建設されてからは、庶民の間でも広く食べられるようになった。

 

そして今では日本人も手軽にポテトチップスを楽しめるようになったのである。